水素供給装置とは? 仕組み・用途・導入時のポイントをわかりやすく解説

カーボンニュートラルの実現に向けて、水素エネルギーへの注目が高まっています。

半導体製造、燃料電池、研究開発など、さまざまな分野で水素ガスの需要が拡大する中、安全かつ安定した水素供給を実現する「水素供給装置」の重要性が増しています。

本記事では、水素供給装置の基本的な仕組みから、導入が必要な場面、設計・選定のポイント、法規制への対応までをわかりやすく解説します。

水素供給装置の設計・製作ならNex's-K.C

当社は、半導体・研究施設向けの高純度ガス設備において多数の製作実績があります。水素供給装置の設計・製作においても、以下の強みを活かしてお客様のご要望にお応えします。

水素対応の配管技術

水素は分子が小さく、配管からの漏洩リスクが他のガスより高いため、高い気密性と適切な材質選定が求められます。当社は、水素脆化を考慮したステンレス配管の設計・施工、VCR継手や自動溶接による高品質な接合技術を保有。リークのない安全な水素配管システムを構築します。

高圧ガス保安法への対応実績

水素は可燃性ガスであり、高圧ガス保安法の規制対象となります。当社は、法規制に準拠した設備の設計・製作実績が豊富にあり、耐圧試験・気密試験の実施、ミルシートの提出、行政申請に必要な書類作成まで対応可能です。

設計から製作・検査まで一貫対応

水素供給装置は、お客様の使用条件や設置環境に応じたカスタム設計が必要です。当社は、仕様検討から筐体製作、配管組立、圧力試験、リーク検査まで一貫して対応。複数の業者に分散することなく、品質とスケジュールを一元管理できます。

短納期・緊急対応

設備の故障や急な増設など、緊急の対応が必要な場面にも柔軟にお応えします。メーカー純正品の納期が長い場合でも、現物からの採寸・復元製作で短納期対応が可能。ワイドエリア三次元測定機による正確な採寸で、図面がない部品でも再製作できます。

水素供給装置とは

水素供給装置とは、水素ガスを安全かつ安定的に供給するための設備の総称です。

水素ボンベからの供給システム、水素発生装置からの供給システム、液化水素からの気化供給システムなど、さまざまな形態があります。

水素は可燃性ガスであり、空気中で4〜75%の濃度範囲で爆発の危険性があります。そのため、水素供給装置には、漏洩検知、緊急遮断、換気設備など、厳格な安全対策が求められます。

また、水素分子は非常に小さいため、一般的な配管や継手では微小な漏洩が発生しやすく、水素専用の材質・継手・溶接技術が必要となります。

さらに、高圧・高温環境下では「水素脆化」と呼ばれる金属の劣化現象が起こる可能性があり、材質選定には注意が必要です。

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水素供給装置が必要な場面

以下のような場面では、水素供給装置の導入が必要または推奨されます。

半導体製造プロセス 半導体製造では、CVD(化学気相成長)プロセスやアニール処理などで水素ガスが使用されます。高純度水素を安定供給するため、シリンダーキャビネットや水素発生装置と組み合わせた供給システムが構築されます。

燃料電池・水素ステーション 燃料電池自動車(FCV)への水素充填や、定置型燃料電池への水素供給には、高圧の水素を安全に取り扱う設備が必要です。水素ステーションでは、圧縮機、蓄圧器、ディスペンサーなどを含む複合的な供給システムが構築されます。

研究施設・大学 水素エネルギーの研究開発、材料分析、化学反応実験など、研究施設ではさまざまな用途で水素ガスが使用されます。実験規模や使用頻度に応じて、ボンベ供給から水素発生装置まで、最適な供給方式を選定します。

金属熱処理・ガラス加工 金属の熱処理(還元雰囲気)やガラス・光ファイバーの製造工程では、水素ガスが使用されます。大量の水素を継続的に使用する場合は、オンサイトの水素発生装置が経済的な選択肢となります。

水素混焼・水素発電 カーボンニュートラル実現に向けて、ボイラーや発電設備での水素混焼・水素専焼の取り組みが進んでいます。大規模な水素供給には、液化水素の気化設備や、パイプラインによる供給システムが検討されます。

水素供給装置の主な構成要素

水素供給装置は、供給方式によって構成が異なりますが、一般的に以下のような要素で構成されます。

  • 水素源:ボンベ(シリンダー)、水素発生装置、液化水素タンクなど
  • 圧力調整器:高圧の水素を使用圧力まで減圧
  • 流量制御機器:マスフローコントローラー、流量計など
  • 配管・継手:ステンレス配管、VCR継手、溶接接合など
  • バルブ類:遮断弁、緊急遮断弁、逆止弁など
  • パージ機構:配管内を不活性ガス(窒素など)で置換
  • 水素検知器:漏洩を検知し警報を発報
  • 換気設備:水素が滞留しないよう換気を確保
  • 制御盤:自動運転、インターロック、監視機能など

水素供給装置の選定・設計ポイント

水素供給装置を選定・設計する際は、以下のポイントを確認しましょう。

供給方式の選定
使用量が少ない場合はボンベ供給、中規模の継続使用には水素発生装置、大規模使用には液化水素やパイプライン供給など、使用量と頻度に応じた供給方式を選定します。ボンベ交換の手間、ランニングコスト、設置スペースなども考慮が必要です。

必要純度・流量・圧力
用途によって求められる水素の純度、供給流量、供給圧力は異なります。半導体製造では99.9999%(6N)以上の高純度が求められることもあります。使用機器の仕様を確認し、必要なスペックを満たす供給システムを設計します。

材質選定と水素脆化対策
水素環境下では、一部の金属材料に「水素脆化」が発生し、強度低下や割れの原因となります。高圧・高温環境では特に注意が必要で、オーステナイト系ステンレス鋼(SUS316Lなど)や、水素脆化を起こしにくい材料を選定します。

法規制への適合
水素は高圧ガス保安法の規制対象であり、1MPa以上の圧縮水素を取り扱う場合は、許可・届出が必要となります。設備の設計段階から、耐圧試験、気密試験、安全弁の設置、材料証明書(ミルシート)の準備など、法的要件を考慮した計画が必要です。

安全対策
水素は可燃性ガスであり、空気との混合で爆発の危険があります。水素検知器の設置、換気設備の確保、防爆電気機器の採用、緊急遮断システムの構築など、多重の安全対策が必要です。また、水素は無色無臭のため、漏洩に気づきにくい点にも注意が必要です。

水素供給装置 導入時の注意点

設置場所の確保
水素供給設備は、火気から離れた場所、換気が確保できる場所に設置する必要があります。屋内設置の場合は、水素が滞留しないよう天井付近の換気を確保します。高圧ガス保安法では、設備間の離隔距離なども規定されています。

許認可・届出の確認
高圧ガス保安法に基づく許可・届出が必要かどうか、事前に確認が必要です。貯蔵量や使用方法によって、都道府県知事への届出や許可申請が必要となる場合があります。消防法や労働安全衛生法など、関連法規も確認しましょう。

定期点検・メンテナンス体制
水素供給設備は、定期的な点検・メンテナンスが法律で義務付けられています。圧力調整器、バルブ類、水素検知器、安全装置などの定期点検計画を立て、メンテナンス体制を確保しておく必要があります。

緊急時対応計画
万が一の漏洩事故に備え、緊急時の対応手順を策定しておく必要があります。緊急遮断弁の操作方法、避難経路、関係機関への連絡体制などを整備し、従業員への教育・訓練も実施します。

まとめ

水素供給装置は、半導体製造、燃料電池、研究開発、金属熱処理など、さまざまな分野で水素ガスを安全かつ安定的に供給するための重要な設備です。水素は可燃性ガスであり、漏洩や水素脆化など固有のリスクがあるため、適切な設計・材質選定・安全対策が不可欠です。

当社は、水素対応の配管技術と高圧ガス保安法への対応実績を活かし、お客様の用途に合わせた水素供給装置を設計・製作いたします。

水素供給装置の新規導入、既存設備の更新、緊急の部品復元など、お気軽にお問い合わせください。

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