HPMP コーン&スレッド

高圧・中圧配管における「コーン&スレッド」加工・継手技術のご紹介

コーン&スレッド(Cone & Thread、略して C&T)とは、配管やチューブの端部に「コーン(円錐)加工」と「ねじ切り(スレッド)」を施し、継手や弁類と高信頼に接合する技術・仕様です。特に高圧(HP/High Pressure)/中圧(MP/Medium Pressure)用途の配管では、通常のねじ接合やフランジ接合では対応しづらい高耐圧・高気密性能が要求されるため、このコーン&スレッド加工が重要な役割を果たします。 「HP(高圧)」「MP(中圧)」という分類は、使用圧力および規格系統の違いを示しており、C&T継手を用いた配管系では、たとえば MP 用で最大使用圧力 137.8 MPa、HP 用で最大使用圧力 413.4 MPa といった仕様がカタログ上例示されています。

コーン&スレッドが求められる背景

高圧・高温環境下では、従来の一般的なねじ継手やフランジ継手ではシール性・耐久性・安全性に限界が出てきます。 C&T では、コーン形状による金属同士の接触シール+ねじの締め付けという機構により、高い気密性・耐圧性・長期信頼性を確保できます。 特に「肉厚配管」「超高圧配管」「水素ステーション」などの高難度用途では、配管・チューブ端部への C&T 加工の採用が増加しています。 MP/HP の仕様を区分して用いることで、設計・施工・検査・保守といったライフサイクル全体で適切にリスク管理を行うことが可能です。

C&T 継手/加工で押さえるべきポイント

仕様設計・適用圧力確認

  • 使用流体、温度、圧力、配管外径・肉厚、使用環境(腐食・振動・繰返荷重)を設計段階で把握。

  • MP 用/HP 用の仕様(例:MP 用最高使用圧 137.8 MPa、HP 用最高使用圧 413.4 MPa)を確認。

  • コーン&スレッド継手に適するチューブ・継手の材質(例:316/316L ステンレス鋼)およびねじ・コーン加工寸法を仕様化。

加工/継手施工

  • チューブ端部に対して、専用工具や旋盤加工によるコーン形状加工およびねじ切り。
  • 継手側とチューブ側の適合性(ねじ山、コーン角度、シール面精度など)を確保。
  • 締め付けトルク・シーラント(必要時)・締結シーケンスを遵守することで、リーク・脱落・疲労破壊のリスクを低減。

検査・品質管理

  • 継手エンド部/チューブ端部の寸法・ねじ精度・コーン面精度・シール面状態のチェック。
  • 多くの製品カタログでは、C&T 継手/チューブに対して非破壊検査、耐圧試験、リーク試験が仕様化されています。
  • トレーサビリティ確保(材質証明、加工記録、受入検査記録、施工記録)や、施工者・作業手順の管理も重要です。

維持・保守性

  • 継手締結部の定期点検(緩み・腐食・シール劣化)、振動・熱変動による継手点検。
  • 交換・再締結が容易な構造を設計段階で考慮(たとえば脱着可能なナット構造、シール面交換可能構造)とすることで、長期運用コストを低減。

適合性・規格整合性

  • HP MP コーン&スレッド」という呼称は、規格/用途の区分を意味し、関連カタログには「中圧用(MP)コーン&スレッド/高圧用(HP)コーン&スレッド」という章立てが見られます。
  • 設計・調達時には、適用規格(ASME B31.3 など)や材質規格(ASTMASME)との整合を確認する必要があります。

Nex’s-K.Cが C&T 仕様で選ばれる理由

  • 幅広い対応力:MPHPレベル双方のコーン&スレッド加工・継手製作・取付までワンストップで対応
  • 高精度加工技術:コーン角度加工、ねじ切り精度、シール面仕上げ、チューブ端部加工などのノウハウを蓄積。
  • トレーサビリティと検査体制:継手・チューブの材質証明、加工記録、試験成績書、締結トルク記録等を含めた品質管理が可能。
  • 難環境実績:高圧ガス、水素ステーション、超高圧流体、肉厚材使用など、他社で断られるような難易度の高い配管案件にも多数対応。
  • 維持・保守性重視:長期運用を見据えた設計・施工・点検体制を事前に提案。脱着構造、交換容易構造、シール補修対応などを設計段階から検討。

製作/施工フロー(C&T 対応)

  1. ヒアリング・仕様確認:使用流体、圧力/温度、配管材質・サイズ・肉厚、継手接続仕様(C&T)、使用環境(腐食・振動)を詳細確認。
  2. 加工設計・継手仕様策定:コーン形状寸法、ねじ規格・形式、チューブ端部加工条件、締結仕様(トルク・シール)を設計。
  3. チューブ端部加工・継手製作:コーン加工(円錐加工)、ねじ切り、仕上げ。継手側もコーン・ねじ・シール面を製作。
  4. 現地取付・締結:継手締結、適正締め付け、シール面の確認、リーク試験・耐圧試験実施。
  5. 検査・試験:継手・チューブ端部の寸法チェック、ねじ精度確認、耐圧・リーク試験、締結記録。
  6. 納品・運用支援:材質証明・加工記録・試験成績書・締結トルク記録等を添付。運用開始後の点検・保守提案。

 適用用途・想定事例

  • 気体・液体の超高圧配管システム(例:水素供給ライン、高圧ガスライン、圧縮流体設備)

  • 中圧から高圧の計測・制御配管(例:検査装置、分析装置、高圧ポンプ配管)

  • 肉厚材・特殊材質(例:316 ステンレス、インコネル、ハステロイなど)を用いた高圧仕様配管で、端部信頼性を確保するための C&T 加工採用。

  • 継手サイズが小径(1/4″~1″など)でありながら高圧(数百 MPa レベル)を扱う配管系。

まとめ

HP/MP コーン&スレッド仕様は、配管・チューブ端部の高信頼接合を実現する技術・仕様であり、設計・加工・施工・維持管理まで一貫して対応することが、システム全体の安全性・耐用年数・経済性に直結します。

当社では、MP 用・HP 用の C&T 継手・加工に関して、設計段階から現地施工・保守提案に至るまで一貫支援しております。高圧・中圧配管で端部接合に不安をお持ちの方は、ぜひ一度ご相談ください。

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